
歯の削る量を最小限に抑えた
低侵襲のむし歯治療
むし歯になってしまったら、むし歯菌に侵されてしまった歯を削り、詰め物や被せ物をして歯の機能を取り戻す治療が必要です。しかし、必要以上に削ってしまうことで、歯を失うリスクを高めてしまいます。そこで当院では歯の削る量を抑え、低侵略のむし歯治療をご提案しております。
当院がむし歯治療で
大切にしていること
むし歯は、治療を終えた後も再発する恐れのある厄介なお口の疾患です。
当院では、自分の歯を一生涯守るための「むし歯を再発させない工夫」に力をいれています。
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治療方法の選定
健康な歯を削らない歯を削る量が多いと、再治療を重ねることで、歯を失うリスクが高くなります。むし歯に感染した最小限の範囲だけを削るように気を付けています。
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ラバーダム
むし歯の再発リスクを下げる唾液中にはむし歯菌や歯周病菌などが沢山潜んでいます。当院ではラバーダムを使用することで、患部に唾液などが流れ込まないように細心の注意を払っています。
2020年の報告では新型コロナウイルス感染対策としても使用を推奨されております。
Braz. Dent. J. vol.31 no.6 Ribeirão Preto Nov./Dec. 2020 Epub Nov 23, 2020 -
マイクロスコープ
細部までこだわった治療詰め物と歯の間に生じた小さな段差によって磨き残しが生じ、むし歯を再発させてしまう恐れがあります。肉眼では見えない部分までしっかりと見えるマイクロスコープを使用して、細部までこだわった治療を行います。
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エビデンスに基づいた
材料選択歯と修復物をくっつけるために大切な接着剤ひとつをとっても、多くの種類があり、その歴史は1980年代より始まります。当院で使用する材料は豊富にある種類の中からシチュエーションごとに最善のものを選択しております。
むし歯の進行度と治療の種類
むし歯が進行して歯を削る量が多くなるほど、歯の寿命を縮めてしまいます。
必要以上に歯を削らないよう、歯の状態に合わせた治療法をご提案いたします。
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初期のむし歯(C1)
初期のむし歯は、歯を削る量を最小限に抑えて治療を行います。
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中期のむし歯(C2)
神経までむし歯が達した場合は歯髄保存治療を行います。
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重度のむし歯(C3)
歯の根(根管)まで達した場合は根管治療を行います。
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末期のむし歯(C4)
歯を残せないと判断した場合は、歯の機能を取り戻す治療を行います。
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングとは
ダイレクトボンディング法は、数種類のコンポジットレジンを詰める治療法です。コンポジットレジンはセラミックを砕き、粉末状にしたものが70~80%を占めており、レジンと呼ばれる人工樹脂と複合させた材料です。このように大半以上がセラミックで構成されているため、ダイレクトボンディングなら天然歯に近い色合いを再現することができます。
むし歯になってしまった歯のみを削るため、セラミックの被せ物(クラウン)や詰め物(インレー)に比べて歯を削る量を抑えることができます。
ダイレクトボンディングのメリット
01歯を削る量を最小限に抑えることができる
セラミックの詰め物・被せ物を装着する場合は、口腔外で作製したものを適合させるため、むし歯に侵されていない健全な部分まで大きく歯を削る必要があります。ダイレクトボンディングの場合は歯に直接レジンを流し込んで治療を行うため、歯を削る量を最小限に抑えることができます。
02短期間での治療が可能
口腔内の状態によっては、即日で治療を終了することが可能です。しかし、口腔内の状態や歯の形態をこだわる場合は、オーダーメイドで作製した参考となる模型をご確認いただいた上での対応となるため、模型を作り検証を行う時間がかかります。
03審美性に優れていて、天然歯の色に揃えられる
レジンという素材は以前から歯科医療で使用されてきましたが、近年はカラーバリエーションが非常に豊富になっています。そのため多数のカラーを重ねることで、天然歯に近い自然な仕上がりができるようになってきました。
04形を調整しながら、部分的な補修ができる
ダイレクトボンディングは、もともと歯が小さいことで歯間が広く「すきっ歯」に見える場合に、隙間を自然に埋めることに利用できます。矯正治療に比べると時間も費用も少なくて済みますし、仕上がりもキレイです。
ダイレクトボンディングの注意点
- ダイレクトボンディングは素材の一部に人工樹脂を含むため、長期間使用することで、多少の変色や質感の変化(艶の消失など)がみられます。(定期的なメインテナンス・再充填・再研磨を行うことで、治療後の見た目を維持することができます。)
- 適応には限度があります。強度や耐久性に限界があるため、大きな範囲の治療には適応できない場合があります。
- 広範囲を修復したケースや強い力がかかりやすいケースでは、かける場合があります。
MTM(小矯正)
MTM(小矯正)とは

むし歯が進行して、歯肉より奥まで侵食されると、抜歯のリスクが高まります。しかし、MTM(小矯正)という方法なら、歯を先端側に引っ張って悪くなった部分を歯肉より上に出せるので、抜歯を回避できる可能性があります。「矯正」というと何年もかかる印象がありますが、MTMは数ヶ月で成果が期待できます。
MTM(小矯正)のメリット
01本来抜歯が必要な歯を残せる可能性がある
ゴムの力を使って歯を歯茎より上に引っ張りだすため、重度のむし歯であっても抜歯をしなくて済む可能性があります。自分の歯を残すことは、お口全体の健康を維持することに繋がります。できる限り歯を残せる選択肢として、当院ではMTM(小矯正)をおすすめしております。
02治療の選択肢が増える
MTMを行うことで、歯と歯の隙間を広げることも可能です。抜歯をせずに歯を残すだけでなく、インプラントなど他の治療でも、十分な歯のスペースを確保しながら綺麗に治療を行うことができます。
03自然で綺麗な見た目に仕上がる
歯を移動することができる小矯正では、歯並びを改善し、見た目を綺麗に整えることができます。歯並びを整えることは、むし歯や歯周病の予防につながり、歯を失うリスクを減少させます。
MTM(小矯正)の注意点
- 症状によってはMTM(小矯正)が適応にならない場合があります。
- 歯根を歯ぐきの上に持ってくるため、歯ぐきの上の歯よりもむし歯になりやすいです。念入りな歯磨き・メインテナンスが必要です。
レジン充填と金属歯冠
(インレー)の比較
この20年を振り返ると金属歯冠が減ってきており、ダイレクトボンディングによるレジン充填が主流となっています。
これは金属歯冠(インレー)の治療後の経過が不良であることが良く見られるため、
歯を削る量を最小限に抑えた、金属アレルギーの心配がないレジン充填を選択する医院が増えているのです。
当院では基本的にはレジン充填を中心に治療を行っております。
ダイレクトボンディング
の症例紹介
大きな穴に無理なく詰めるダイレクトボンディング治療


年齢・性別 | 10代・男性 |
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通院回数 | 1回 |
治療内容 | ダイレクトボンディング(単純) |
費用 | 30000円 |
メリット | 虫歯治療の認定医ならではの大きな虫歯への治療アプローチです。 大きな虫歯によってできた穴は無理に詰めてしまうと根の破折を起こす可能性が高まってしまいます。 かといって、歯が十分に残っているのに大きく削って被せ物を入れるのも歯科医師として心が痛みます。 このような場合にファイバーを交ぜ込むといった科学的根拠に基づいた新しい治療方法によって歯の大部分を削ることなく守ることが可能となりました。 |
デメリット | ダイレクトボンディングは接着技術、形態付与、色調合わせと術者の技量によって仕上がりが異なります。 X線を使用する場合もあるため、被曝をご心配の方には向いておりません。 |

もう少し進行したむし歯には
「セラミックオーバーレイ」
ダイレクトボンディングでの対応が難しいと判断した場合、大きく削って被せ物をする歯科医院もありますが、当院はオーバーレイという方法で、削る量を最小限にして対応できます。
予防歯科
予防歯科とは

予防歯科とは、むし歯や歯周病を未然に防ぐための「歯の予防」のことを言います。むし歯になる前はもちろん、むし歯治療後の状態を維持するためにも、歯科医院で行う予防は有効です。
毎日ご自宅で歯磨きを行っていてもむし歯になる可能性は十分にあるため、定期的に歯科医院で行う歯のクリーニングを受けましょう。
歯の予防を行うメリット
01むし歯・歯周病を未然に防ぐことができる
毎日の歯磨きだけでは、むし歯や歯周病は完全に防ぐことができません。歯科医院でメインテナンスを受けることで、歯磨きでは取り切れない汚れ(歯石)を取り除くことができます。また、初期のむし歯や歯周病はあまり自覚症状が出ないため、歯石定期的に歯科医院でメインテナンスを受けて早期発見・早期治療を行うことが大切です。
02むし歯の再発を抑え、再治療のリスクを軽減できる
むし歯や歯周病の治療を終えても、元の健康な歯に戻ったわけではありません。むし歯が再発して治療を繰り返すと、更に自分の歯を削ることになってしまうのです。むし歯を再発させないために、治療後も定期的に歯科医院へ通ってメインテナンスを行いましょう。
エアフロー
エアフローとは、歯磨きでは取り除けない歯の表面の汚れ(バイオフィルムなど)を取り除く設備です。専用の粉末を歯に吹きかけて汚れを落とすため、歯や歯肉に負担をほとんどかけずに汚れを落とすことができます。
※バイオフィルムとは、歯の表面や歯周ポケット内に溜まった細菌の塊のことを言います。このバイオフィルムが口腔内にあることで、むし歯や歯周病の原因となります。
PMTC
歯科医師や歯科衛生士によるプロのクリーニングです。専用の器具を用いて、歯磨きでは取り除けなかった汚れを隅々まで丁寧に落としていきます。仕上げにフッ素を歯の表面に塗布することで、むし歯や歯周病になりにくい口腔内に仕上げます。PMTCを行った後は、お口がさっぱりとします。
TBI
歯科医師や歯科衛生士による一人ひとりに合わせた歯磨き指導です。自己流の歯磨き方法ではどうしても磨き残しがあり、そこからむし歯や歯周病になってしまいます。当院ではそれぞれのクセを踏まえて、より良い歯磨き方法をお伝えします。